
★第3回・夏場の管理
いかに優れた銘血バードを持っていようと「管理」なくして勝利はない。というわけでPOPPO.NETは、レース鳩の管理基礎講座を開設いたしました。講師には鳩歴50年以上の大ベテランにして、クラウン賞、ゴールド賞、シルバー賞の3冠をも果たした「鳩界の若大将」こと及川 茂氏。管理についてQ&A方式で答えて頂きました。第3回目は夏場の管理法についてです。
A. 通風には気を配った方がいいでしょう。鳩は体温がもともと高い上、高温に弱い生き物です。そのため風にあたる、あたらないは非常に重要になります。私の鳩舎も北と南で風が通り抜けやすいようにしてあります。しかも屋上ということもあり、暑さでまいってしまうようなことはありません。とはいえ地面に鳩舎を建てていられる方でも、風がきちんと抜けられるような構造になっていれば問題ないと思います。とにかく風通しがいいよう心がけてください。
A. そうですね。あとは水浴びを3日に1回のペースで行っています。これで暑さに対するストレスはかなり解消されるでしょう。水浴びを行う時間については、夕方以降だと羽根が乾かないことがあり風邪を引いてしまうことがあります。そのため、日の当たる時間帯を考え、朝の給餌が終わってから行うようにしています。
▲バスクリン入りの水浴びでなんとスピードもアップする?
A. 私の場合は、『バスザウルス』というバスクリンのようなものを使用しています。疲労回復はもちろん、羽虫も3、4回入れているだけでいなくなるスグレものです。結果、羽根がスベスベになりますので、トリは擦って飛ぶわけですから、スピードアップにも役立っていると思いますよ。
A. そうですね。暑さとストレスからアデノウイルスにかかりやすくなります。みなさんが個人訓練を始める8月中旬くらいからが発症することが多いですが、近年だとウイルスが進化しているせいなのか、7月中に発症するケースも増えているようです。アデノウィルスに感染すると腹痛と似た症状になり、喰いが悪くなって水ばかりを飲むようになり、最後は吐くようになります。そのようなコンディションではまず舎外は飛びません。先ほどの症状が出たら、餌を少なめにし、日本鳩レース協会にあるクリニックや専門の獣医師に相談するといいでしょう。アデノウィルスに効く薬を処方してくれますよ。
▲事前に投薬することで若鳩の天敵・アデノを防げる。
A. 事前に投薬することが何よりの予防と言えるでしょう。かくいう私も舎外で遠征するようになったら、アデノウイルスの薬を飲水器に混ぜて飲ませています。なぜこのタイミングかというと、遠征にいくということは他の鳩と混ざるということ。イコール、病気の感染率が高くなるからです。またヨーロッパではアデノウイルスに聞く良薬が開発されたそうで、私も今試しているところです。そのおかげか、8月の時点で発症していませんね。とはいえ、アデノウィルスはそんなに怖い病気ではなりません。投薬さえきちんとすればすぐに治ってしまうし、1度かかってしまえば麻疹と同じで2度とかからないケースが大半です。鳩には可哀想ですが、あえてこの時期に経験させておくのもいいかもしれません。そうすればシーズン中にかかることはないわけですからね。
レース歴:53年
翔道:6段
鳩舎規模:選手鳩120羽/7坪 種鳩70~80羽/16坪
主力系統:若大将系 及川シャンテリー系
代表翔歴:クラウン賞、ゴールド賞、シルバー賞
プリンスレース1000K当日総合優勝他総合優勝多数
ホームページ:若大将のホームページ
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