写真●POPPO.NET 取材・文●POPPO.NET
委託のスペシャリスト・引田泰正鳩舎が十八番とする八郷国際鳩舎で今春も魅せた。ダービーとオリエンタルカップで全国8位! ただのシングル入賞なら騒ぐことはないが、これは1羽のレーサーによる成果である。 ダブルシングルバードは、同じ八郷国際鳩舎で全国優勝を遂げその後も2羽の全国優勝鳩を輩出した超銘鳩‘アヴィニョン’の孫。しかもつくば国際鳩舎とインターナショナルロフトの会で1桁入賞鳩を創出した後継鳩の直子でもあった。八郷国際鳩舎をはじめ全国各地の委託鳩舎で勇躍するアヴィニョンを筆頭とした引田ライン。朝江夫人と共に愛情をもって築き上げたその飛び筋に迫る。
▲委託のスペシャリスト・引田泰正・朝江夫妻が築き上げた委託最強血統。活躍は引田鳩舎のみ抜粋。
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上記の系統図をご覧いただきたい。委託のスペシャリストの異名を持つ引田泰正、朝江夫妻が二人三脚で築き上げた、まさに愛の結晶だ。
八郷国際鳩舎において個人最多となる3度の全国優勝、2012年春も八郷国際鳩舎の400K、700Kとで全国シングル入賞と、伊賀国際鳩舎、つくば国際鳩舎を含めればシングル入賞は優に20回を超える。こららの実績は夫妻のヒナに対する愛情と長年愛用してきたローセンスのライン、そして3羽のベルギー産銘血ブリーダー――‘ノエル(ノエル=ペーレン作のリモージュN優勝の異母兄弟)’と ‘ド・263(6回入賞のアンドレ&パトリック=デズメット作翔のチャンピオン)’、‘プリュイドー・ポー(1996年ポーN優勝)’。1995年オルレアン最高分速鳩‘マリールイズ’の全兄弟にして1997年上州地区N総合
アヴィニョン
98HH12954 BC ♀ 引田泰正鳩舎作 元最高種鳩
99年八郷国際鳩舎国際オリエンタルカップ700K全国優勝
直子/タッチ
(08年八郷国際鳩舎国際ダービー400K全国優勝)
スパーン
(07年八郷国際鳩舎国際オリエンタルカップ全国優勝)
07年八郷国際鳩舎国際オリエンタルカップ全国8位
07年八郷国際鳩舎国際オリエンタルカップ全国5位
07年八郷国際鳩舎国際ウィナー300K全国8位
01年つくば国際鳩舎日本選手権600K全国6位
父)ノエル B93-3315237 S ノエル=ペーレン作翔
引田泰正鳩舎基礎鳩
異母兄弟/1991年リモージュN10,866羽中優勝
直子/00年八郷国際鳩舎国際オリエンタルC全国3位
孫 /03年八郷国際鳩舎国際オリエンタルC全国2位
曾孫/08年八郷国際鳩舎ダービー400K全国優勝
母)ド・263 B94-4170263 BC A&P=デズメット作翔
引田泰正鳩舎基礎鳩
6回入賞 異母兄弟/ブリーブProv.優勝
シュプール(モントーバン優勝他優勝3回)×
ヘットスパーケ(ラステレーヌN5位、アルジェントンN10位、
リモージュN♀部門優勝)
優勝を果たした引田鳩舎の代表作出鳩‘エヴィータ’の計5筋を絡めて築かれたものだ。
何よりの成功は「ノエル×ド263」の配合――引田鳩舎初となる全国優勝鳩‘アヴィニョン(1999年八郷国際鳩舎国際オリエンタルカップ700K全国優勝)’を誕生させたことだろう。自身の翔歴はもとより種鳩として余りにもグレートで、‘スバーン(2007年八郷国際鳩舎オリエンタルカップ700K全国優勝)’、‘タッチ(2008年八郷国際鳩舎国際ダービー400K全国優勝)’とで更新不可の離れ業――「2度の親子2代連続全国優勝」を達成させただけでなく、直子だけで4羽のシングルバードを輩出。まさに超銘鳩だ。引田夫妻を「委託のスペシャリスト」としての地位を確立させた立身出世の1羽は、その規格外の実績から「八郷国際鳩舎最強ブリーダー」との呼び声も高い。悔しくも2010年5月に不慮な事故で亡くなってしまったが、'ラフ(2008年つくば国際鳩舎広島選手権700K全国7位)'の母鳩にして直系に昨年のつくば国際鳩舎日本選手権500K全国優勝鳩を持つ'タッチ'や'エスペランサ(2010年つくば国際鳩舎広島選手権700K全国2位)'、'10-077097(2010年インターナショナルロフトの会400K5位、200K7位)'の2羽に八郷国際鳩舎ダービー400K全国8位、オリエンタルカップ700Kでは全国8位入賞とダブルシングルを射止めた今春の主役'11JA00513'と計3羽の委託チャンピ
オンを作り出した'03JA03244'など後継種鳩が順調に育っており、その偉大なる遺伝子は確実に継承されている。
それに次ぐ――いや双璧するパワーを持っているのが、‘プリュイドー・ポー’だ。ファン・スピータルとローセンスの混成系と血統も強力だが、それ以上にポーN優勝――ポーというレースの特性(※1鳩舎の参加羽数が限定)を知っている人からいわせれば、その肩書があるだけで‘本物’だということが充分伝わる。
‘プリュイドー・ポー’は、先述の‘アヴィニョン’との組み合わせで‘タッチ’を――またその父‘ノエル’とでは、3代連続全国トップ3鳩――‘H2(2000年八郷国際鳩舎オリエンタルカップ700K全国3位)’、‘アトム(2003年八郷国際鳩舎オリエンタルカップ700K全国2位)’、‘タッチ’という大記録を作っている。また‘エヴィータ’とでは‘08JA04401 (2009年八郷国際鳩舎国際親善レース500K全国4位)’。‘ド263’自身ではないが同系のモントーバンN優勝‘ドゥ・クライネトゥレ’――今年のナルボンヌIN優勝鳩を産んだ銘血とで‘スコータイ(2007年八郷国際鳩舎国際CH全国2位)’を輩出しているが、なによりこの筋の最大の武器は、血を嫌わない――異血との融和にある。
例を挙げると愛媛の飛び筋――シオンをベースとした長距離系とで2008年秋つくば国際鳩舎日本選手権500Kで全国優勝。また2009年春、超難戦となった関東支部連盟ゴールデンカップ900Kではデルバールを系源にもつ飛び筋とクロスして総合優勝。しかも「鳩なり」での勝利だった。引田鳩舎でもジョルジュ=ボレー作の飛び筋で‘クロスゲーム(2005年秋伊賀国際鳩舎国際親善500K全国9位)’という成功を遂げている。
‘エヴィータ’のラインについては、全兄弟の‘マリールイズ’が証明しているように、‘プリュイド・ポー’同様、血を嫌わない性質を持っている。その最たるがファブリー、ローセンスとぶつけて誕生した、‘08JH06104(2009年伊賀国際親善レース500K全
11JA00513 B 引田泰正鳩舎作・委託
2012年春八郷国際鳩舎国際ダービー400K
若鳩部門177羽中全国8位
八郷国際鳩舎国際オリエンタルカップ700K
若鳩部門93羽中全国8位
父)クロスゲーム 05JA06626 B 引田泰正鳩舎作
05年秋伊賀国際鳩舎国際親善レース500K全国9位
祖父)98HH12992 B 引田泰正鳩舎作
プリュイド・ポー(96年ポーN優勝)の直子
直子/つくば国際300K全国2位、700K全国2位
全兄弟の直子/
八郷国際700K全国3位、900K全国2位
祖母)B98-3000894 B ジョルジュ=ボレー作
全兄弟/ダックスIN8位(N優勝)
ブールジュN成鳩2位
異父兄弟/カオールN優勝
母)03JA03244 B 引田泰正鳩舎作
アヴィニョンの後継種鳩
全兄弟/八郷国際鳩舎700K全国5位、300K全国3位
祖父)00JH29610 B 引田鳩舎作 田辺兄弟使翔
西関東CH900K総合20位 エヴィータの直子
祖母)アヴィニョン(上記参照)
国優勝)’だ。しかもその特性とは裏腹にレース展開は高温、逆風の低分速戦。配合次第で柔軟な対応できる、という部分も魅力的だ。
最後に引田鳩舎が長年愛用してきた長距離スピード血統の代名詞‘ローセンス’だが、‘プリュイド・ポー’のベストパートナーとして君臨し、八郷国際鳩舎、つくば国際鳩舎で活躍鳩を量産。近年では‘エヴイータ’とで‘若葉(2009年八郷国際鳩舎国際親善レース500K全国4位)’を、そして‘アヴィニョン’の後継種鳩‘03JA03244’とで今春のダブルシングルバードを生み出している。
自鳩舎においても、他鳩舎においてもここでは紹介できなかった活躍鳩がまだまだいる。引田夫妻が愛情を注ぎ練り上げられたこの5筋は、八郷国際鳩舎はもちろんのこと、伊賀国際鳩舎、つくば国際鳩舎、そしてワンロフトを含めた全ての委託鳩舎において「至高の飛び筋」といって過言ではない。
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